8月6日に、木原くにや弁護士による関空の問題とその展望をご紹介しました。
昨日のセミナーでは、関空の代わりに神戸空港を国内線や国際線のハブとして活用できる可能性が示されました。
まず前回のおさらい。
関空に関する政治的采配は二階俊博が握っている。氏は関空1期工事の時は和歌山県議会員だったが、2期工事のころには衆議院議員になっている。↓
工事の談合の疑いが浮上したこともあるが、いずれにしても二階は運輸省の官僚と組んで工事が進められた。
一期島の工事では、大林組の平島栄（当方による注：「談合のドン」として知られた）と田中角栄の金庫番・佐藤昭子が交友関係にあったことから、田中とのカネの流れが噂された。
その他にも金丸信、安倍慎太郎やその他運輸族政治家の関与が話題に上った。
二階は現在、関西万博推進本部長だが、関空のプッシュもねらっているとみられる。
関空は明らかにアジア路線を中心としている。全路線の91%がアジア方面だが、その中でも77％が、韓国・台湾・中国といった近距離アジアの路線。↓
座席提供の統計を見ると、2019年は2018年と比較して、韓国が若干減り、中国や東南アジアが大幅に増加している。↓
現在、近畿地方で国際線が就航しているのは関空のみ。他県では地方空港でも少ないながら
国際線が乗り入れているのに、伊丹や神戸に国際線がないのはおかしい。これは政治的な「関空ファースト」が原因か。
しかし関空はハブ空港の役目を果たしていない。↓
平成30年の台風で関空が被害に遭ったため、その後神戸空港の発着制限が緩和されている↓ 流れとしては神戸空港の利用を増やそうというもの。
神戸は港もある言わずと知れた国際都市である。国際空港として活用しない手はない。また
関空と違い、新幹線の駅も近い（新神戸駅）。
神戸空港の問題は滑走路の長さ。関空はA滑走路が3500メートル（B滑走路は4000ｍ）あるが神戸は2500ｍしかない。行き先の飛行時間や飛行機の重量を計算すると、最低2800mの滑走路が望まれる。
加えて、国際線乗り入れには滑走路の改修が必要となってくる↓
本格的に国際空港として出発するには、埋め立てなどが必要になってくる。その他に、空港への交通増便、ホテル建設などがあろう。
2025年から神戸空港では国際チャーター便が開始、定期便は2030年から就航する予定↓
神戸空港が国際化する方向は決まっている↓現在の年間利用者は300万人だが、国際線就航で年間700万人を見込んでいる。空港への交通の改善が課題。
国際化と同時に、国内線のハブ空港として活用できるのではないか、と木原氏は考える。↓
神戸空港には現在国内線のみ17路線が就航している。
九州、中国、四国の各空港の国内線は下図の通り少ないが、神戸空港で乗り換えすれば関東以北にも行けるようになる。（もちろんそのまま海外にも行ける）↓
日本全体にとっても、神戸空港の国内線ハブ化はプラスになるのではないか。
神戸の強みは新幹線の駅がそこそこ近いこと。↓（リムジンバスで30分、タクシーで20分）
空港のない地方都市から関空に行くのは苦痛だが、新幹線で新神戸まで乗車すれば比較的容易に国際空港に到達できるようになる（2030年以降）。
神戸空港は「関空ファースト」行政のもとで押さえつけられてきた。しかし海上空港なので24時間発着も可能であるなど、ポテンシャルが大きい。↓
近くに神戸港があるため、貨物の積み替え拠点としても便利↓
課題は、三宮や新神戸からのアクセス改善↓ 空港のあるポートアイランドには大学や病院が多い為、朝のラッシュは大問題。
現在、空港へつながる新神戸付近の道路整備が行われている↓
さらに埋め立てするとなると神戸の海底地盤は大丈夫か。木原氏が調べたところによると現地海底の地盤は排水がかなり進んでおり、沈下が起きる可能性は少ない。関空は毎年沈下している↓
実は愛知県の中部空港は、関空の反省をふまえて固い地盤の場所に建設された。
結論としては、神戸空港は今のままでは宝の持ち腐れになるため、国際線・国内線両方でもっと活用するべきである。
空港増築のための財源として、神戸市は王子公園を関西学院大学に100億円で売却を決定したが、それに反対しているのは共産党。彼らは神戸市を攻撃したいだけである。
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セミナーは以上です。
2000年頃、当方はまだ東京で仕事をしていましたが、神戸に住む母は神戸空港反対運動の話を盛んにしていました。
今となっては、建てたものを最大限に活用するしかありません。
ちなみに「関空ファースト」二階俊博氏は日中友好議員連盟会長だそうですが、関空に中国路線が多いのはそのせいでしょうか？？？
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